ISO 17100について知っておくべきこと
2024.12.31世界は大きく変革を遂げ、多くのテクノロジーによって、さまざまな活動を容易に行うことができるようになりました。今日では、多くの企業が翻訳サービスプロバイダー(TSP:translation service provider)を通じて海外進出を行い、その市場における可能性を高めています。 そうした活動を行うことを検討し、翻訳サービスを必要としている場合、ISO 17100(正式名「ISO 17100:2015 翻訳サービス-翻訳サービスの要求事項」)という言葉を耳にすることでしょう。ISO 17100とは、翻訳業界において広く適用されている翻訳サービス要件を指します。 ここでは、最良の翻訳パートナーを選ぶ際に役立つ、ISO 17100について知っておくべきことをわかりやすく説明します。まずは、ISO 17100の意味を解説してから、その詳細について触れたいと思います。 2015年に発行されたISO 17100は、クライアントに高品質のサービスを提供できるよう、翻訳サービスプロバイダーを支援するために制定された国際規格です。この規格を翻訳サービスに適用することは、翻訳サービスプロバイダーの事業強化だけでなく、高品質の翻訳サービスの提供にも役立ちます。 ただし、ISO 17100は通訳サービスには適用されません。つまり、この規格は、口頭言語の情報を使用してクライアントにサービスを提供する活動には適用されず、対象読者をひきつけるために書かれたテキストの人間による翻訳にのみ適用されます。しかしながら、MTPE(Machine Translation Post Editing:機械翻訳ポストエディット)のような翻訳プロセスは、ISO 17100の範囲を超えています。 ISO 17100は、高品質の翻訳を保証するための業界標準として、関連する要件を規定しています。翻訳サービス会社がこれらの規定に従っているかどうかを確認することは、最初のステップとして常に大切となります。Linguitronicsでは、これらの業界のベストプラクティスに適合するよう、その翻訳サービスをISO 17100で求められるレベルにまで引き上げています。 主に翻訳サービスプロバイダーに適用されるこのガイドラインは、顧客に高品質の翻訳を提供するのに役立つツールとなります。この認証は、以下を取得対象としています。 企業がこの規格に準拠していない場合でも、高品質のサービスを提供できる可能性はありますが、Linguitronicsはプロフェッショナルな翻訳サービスプロバイダーとして、2015年からISO 17100規格に準拠しています。 ISO 17100は翻訳プロセスに焦点を当てたアプローチだけであり、品質要件を含んではいません。この規格は品質を定義するのではなく、定義されたプロセスに従った品質達成のための条件を規定しています。 このISO規格は、高品質のサービスを提供することを目的としています。このため、企業がISO 17100認証を取得した翻訳サービスプロバイダーを利用する場合、信頼性のある管理システムが整っていると考え、高い信頼を寄せることができます。またこれは、翻訳プロバイダーが高品質の翻訳を提供するために必要な、すべての要件を満たしていることを意味します。このため、この目標を達成するために以下のプロセスが必要となります。 翻訳サービスの資格に関する要件の1つは、すべての翻訳者が政府発行の認定された修了証明書を保持している必要があるということです。良質な翻訳が多くの訓練と経験により実現されることは、周知の事実です。このため、起こり得る問題を理解し、その対処方法を知るのに役立つことから、翻訳プロバイダーはその分野での専門性を測るテストに合格する必要があります。 このISO規格によると、プロジェクトマネージャー、レビュアー、クライアントを含んだ関係者間の協力においては、翻訳者だけに頼らないことが、サービスの提供を成功させる上で大切であるとされています。このため、プロジェクトマネージャーはプロセスの開始前に、クライアントのニーズを満たすための計画を実施します。これには、品質保証範囲、対象読者、そして翻訳に必要なあらゆる資源が含まれます。 この段階では、プロジェクトマネージャーは翻訳プロジェクトに専念し、クライアントと翻訳者が協力して作業できるようになります。翻訳は、原文の言語と翻訳文の言語の両方に堪能な翻訳者が行います。そして、翻訳の完了後、翻訳者はその完成品を見直す必要があります。 このISO規格のもう1つの要件は、フィードバックプロセスであり、クライアントからのフィードバックを管理するプロセスが必要であることを規定しています。このプロセスにより、翻訳の品質とクライアントの満足度を評価することができます。 ISO 17100は、クライアントをデータセキュリティの問題から保護するための認定規格です。たとえば、この規格では、クライアントの機密情報が含まれる場合があることから、すべての翻訳サービスプロバイダーがデータ保護要件に準拠している必要があることを規定しています。 ISO 17100のプロセスを実施している翻訳サービスプロバイダーとして承認されるためには、以下の要件に準拠する必要があります。 プロの翻訳者がISO 17100の要件に準拠するためには、以下の条件の少なくとも1つを満たしている必要があります。 ISO 17100は、翻訳プロバイダーが高品質の翻訳文を提供することを保証するための基準として役立ちます。翻訳サービスプロバイダーを利用する際、翻訳業界におけるさまざまな企業を比較することは、困難である場合があります。 クライアントのニーズを満たすために役立つ方法を採用していることがわかるため、ISO認証を取得したプロバイダーを利用することで、最適な翻訳プロバイダーを探す労力が軽減されます。 翻訳サービスプロバイダーは、翻訳管理システム(TMS:Translation Management System)などのツールを使用することができます。TMSは、翻訳の速度、品質、一貫性を向上させ、翻訳者が良質な納品物を提供することを確約するための自動ソフトウェアです。これにより、翻訳プロバイダーはデジタル化された方法によって過去の翻訳を収集・保存・蓄積することができ、翻訳者が良質な翻訳を仕上げるのを支援することができます。 TMS has a function that keeps track of past translations. TMSは、翻訳メモリ(TM)と呼ばれる、過去の翻訳を追跡する機能を備えています。翻訳メモリのメリットは、最初から翻訳する必要性を排除し、時間を節約できることです。たとえば、新しいテキストを翻訳する際に、翻訳メモリ内の過去の翻訳文と比較することができます。これにより、一致するテキストがある場合に最初から翻訳を行う必要がないため、翻訳者の作業が容易になります。 さらに、TMやTB(用語ベース。いわゆる用語集)などの言語資産の管理により、データ保護を強化することができます。また、データベース内の各メタデータエントリをチェック・監視でき、あらゆるデータへのアクセスおよび変更を把握できます。 翻訳および通訳サービスにおいて30年の経験を有する当社は、お客様に満足いただけるサービスを提供することに尽力しています。当社は透明性を重視しており、成功を収めるためのさまざま方法を有しています。ISO 17100が発行されるずっと以前から、当社のチームは上記のベストプラクティスを実施していました。現在、世界の言語サービスプロバイダーランキングでトップ100入りしているLinguitronicsは、お客様に満足いただける納品物を提供するプロバイダーとして認知されています。ぜひ当社までお問い合わせください。お客様の事業の成長を支援する方法をご紹介させていただきます。
ISO 17100:2015とは?
ISO 17100の対象者とは?
ISO 17100は品質要件を規定しているのか?
ISO 17100が規定するプロセスとは?
• 人的資源または資格
• 制作準備段階
• 制作段階
• フィードバックプロセス
• データ保護
翻訳サービスプロバイダーにおけるISO 17100の要件とは?
ISO 17100認証の3つの資格要件とは?
ISO 17100のメリットとは?
Linguitronicsを選ぶ理由
言語資産の管理:グローバリゼーションにおける品質に必須な資産管理能力
言語資産:グローバリゼーションに必要とされるデジタル資産
言語サービスプロバイダー:翻訳だけにとどまらない、企業のグローバリゼーションを支える陰の立役者